しーくれっとらぶ
『…っ…ぅぅ…。』
龍のマンションを出て角を曲がった途端こらえていた涙が溢れてきた。
龍…あたしが出て行っても何も言わなかった……。
当たり前だよね……。
別れたんだもん……。
本当にあたしのこと嫌いになっちゃったんだ……。
もうあたしたちは終わっちゃったんだ……。
あたしはその場に崩れるように座り込んだ。
悲しくて……悲しくて……もう自分を支えることも出来なかった。
涙も止まることなく次々と溢れ出てくる。
嫌だよぉ……っ。
信じたくないよ……。
龍と別れたなんて信じたくない……。
だけどそんなことを思っても別れてしまったことは変えることのできない現実。