しーくれっとらぶ
座り込んでいる灰色のコンクリートがあたしの涙で濡れて黒くなっている。
いつまでもここにいてもどうしようもないよね……。
ここで泣いていたからって龍が来てくれるわけでもないし、龍とやり直せるわけでもないんだから……。
あたしは泣き過ぎてダルい体で立ち上がり、近くのバス停に向かった。
龍のマンションからあたしの家までは歩いて30分くらいで帰れる距離で、いつもなら歩いていた。
だけど、今日は歩いて帰る気力がなかった。