しーくれっとらぶ
「あの頃の唯の生活環境は最悪だった……家族っていうような人もいない、周りにいるのは馬鹿な大人と悪い先輩や友達ばっかり……。
寂しくても頼れる人も帰る家もなかったよな…。」


そうだった……。
あの時のあたしには信頼できるものが何一つなかった。

なら、今は―…?


「もしあの時お前が寂しさを埋めたくてあんなことをしてたとしたら……今の唯の周りはあの時と同じなのか……?
ココは唯にとって安心出来る"家"じゃない……?」


聖夜と同じ言葉をあたしは自分の中で自分に問いかけた。

あたしの周りに信頼できる人はいない……?

ココは安心できないの……?

『…違う……っ。』


答えはすぐに出る。

あたしの周りにはあたしを信じてる人がいる。
心から信じれる人がいる。
大切な家族も、温かい家もある。


『…違うよ……っ。』


あたし……

…何やってるんだろう……。

龍と別れて、心に出来た空白をいろんな男で埋めようってしたてた……。
寂しいのを他の男で誤魔化してた……。
また同じ過ちを繰り返してたんだ。

寂しいからって他の男といなくていいじゃん……。
友達がいる…、家族がいるじゃん……っ。










< 715 / 854 >

この作品をシェア

pagetop