しーくれっとらぶ
「―…久佐、沢久佐!」

『えっ、あ…、な、なに?』


名前を呼ばれてハッと我に返った。
隣に人がいることをすっかり忘れていた。


「大丈夫か?ボーっとしてたぞ」


そう言って顔を覗き込んでくるクラスメートの園田君。

今日クラスのみんなでやる文化祭の打ち上げの買い出しに2人で来てたんだっけ。
確かジャンケンであたしと園田君が負けちゃって。


『ご、ごめん…ι―で、何の話してたっけ?』


あたしが慌てて謝ると園田君は呆れたように笑った。


「もう買うもんないよなって話」


園田君の言葉にあたしは亜紀から貰ったメモを取り出した。

うん、買い忘れはないっ。


『もうないよ』

「なら帰るか」


園田君がそう言って歩き出したから、あたしもその後について行く。













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