しーくれっとらぶ
亜紀と話しながら学校の門を出た時、見覚えのある白い車が停まっているのに気がついた。


「あれって龍君の車じゃない?」


亜紀がそう言ったと同時に車の中から龍が出てきた。


そして真直ぐにあたしたちの方に歩いてくる。

あたしはそれを黙って固まって見ていた。


どうして龍がここにいるの……?


そればっかりが頭の中でグルグル回っていた。

だから龍が亜紀に何か言っているのも全然聞いていなかった。

気付いた時には龍に手を引かれて車の方へと向かっていた。


『ちょ…っ、亜紀が…っ』


あたしは慌てて後ろを振り返ったけど、亜紀はニコニコとこっちに向かって手を振っている。


「亜紀にはさっきちゃんと了解もらったで」


龍はそう言ってまた歩き出した。










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