しーくれっとらぶ
陸、指輪捨てたって言ってたのに……。
龍に渡してたんだ…。


『…そっか…。陸に借りができちゃったな……』


あたしは指輪とネックレスを見て笑った。

と同時に涙が溢れてきた。

自分で手放したくせに指輪とネックレスが今自分の手の中にあることがすごく嬉しかったんだ。


「つけるやろ?」


龍の言葉にあたしは涙を拭いながら頷いた。

龍はあたしの体を反転させると2つのネックレスをつけてくれた。

そしてもう一度正面を向かせて、あたしの右手の薬指にあの指輪をそっとはめた。







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