しーくれっとらぶ
『…唯って……、あたしの名前は本当の母親がつけてくれた名前なんだ……』


この手紙を読んで初めて知った。


「そうだ…。それに陸が言ったことも間違ってないと思う」

『…どう…して…?』

「手紙の字を見てみろ。所々インクがにじんでいるだろう?そんなにじみ方は上から水滴を落とさないと出来ない…。
たぶんお前の母親は泣きながらその手紙を書いたんじゃねぇかな…」


聖夜はそう言って優しく微笑んだ。


あたしは涙を拭くこともしないでその手紙を見た。



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