しーくれっとらぶ
「時間がないから早速本題に入ってもいいかな?」

『あ、はい』


あたしは膝の上に置いている手をギュッと握り締める。


何を言われるのか怖いし、不安だけれど、関係のない話をグダグタするよりも早く本題に入ったほうがマシだと思った。


「今日君を呼んだのはこのことについて聞きたかったからなんだ」


社長はそう言って1枚の紙をあたしに渡した。

その紙は雑誌の1ページみたいなものだった。

書かれている中身はあたしのこと。


《五十嵐 龍 噂の女子高生の暗い過去》


と大きな文字で書いてある。
その下には

《親から2度捨てられた少女、荒れ果てた中学時代、2度の強姦の隠された真実》


と見出し語のような言葉。


そしてそのページいっぱいを使ってあたしの過去について書かれていた。



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