しーくれっとらぶ
それから社長としばらく話した。

社長は優しい人で、あたしと龍が付き合うことに反対はしていなかったんだ。


「龍は多分君と付き合ってから変わったんだよな。すごく雰囲気がよくなった」

『そうなんですか?』

「あぁ。最初は本当に手のつけられない奴だったからさ。」


社長はそう言って優しく笑った。


「龍みたいな人気のある芸能人と付き合うのは大変だと思うけど、これからも龍のことよろしくな。―あ、あとこの記事と記者はちゃんと潰したし大丈夫だから。安心して生活しくれ」

『え……』


記者…も……?


『記者を潰したって……』

「あぁ、多分今ごろアフリカあたりで汗水たらして働いているんじゃないかな」

『アフリカ……っ!?』


何でアフリカ…!?

もしかして社長の力で国外追放とか……!?

話がよくわからなくて、あたしは社長に聞き返した。

きっと相当驚いている顔だったんだろう。
社長はあたしを見てプッと吹き出した。


「冗談だよ、冗談(笑)。日本にいるから。ただホームレスみたいだけどな」

『ホームレス……』

「あぁ」


社長はその記者について話し出した。
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