しーくれっとらぶ
「唯、どうした?」


珍しく部屋から出てきたあたしを見て、聖夜は少し驚いている。


『あたし…亜紀に話すね…』


あたしはソファーに座っている聖夜の隣に腰を降ろした。


「亜紀ちゃんに?」


聖夜の問いかけにあたしは黙って頷いた。


『…亜紀からメールが来たんだ…。
連絡しないあたしをすごく心配してくれてた……。
…だから…亜紀には話そうって思ったの…。』



あたしはそう言って聖夜に亜紀から来たメールを見せた。







「そうだな。

それに亜紀ちゃんは、ずっと唯に会いに来てたんだぞ。」


聖夜はそう言ってあたしに携帯を返した。



『え…??亜紀が…??』

「ああ。

亜紀ちゃんはずっと、あれから毎日家に来てたんだ。

ただ、唯がなかなか部屋から出てこれなかったから、まだ会えねぇだろうなって思って、帰ってもらってたんだよ。」



あたしは聖夜の話を聞いてまた涙が出てきた。



亜紀がそこまで心配してくれていたなんて思いもしなかった。



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