シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
放課後になり、舞台の練習が始まった。
「主役がいないが……発声はじめるぞ」
そう言って、教師がピアノの前に座る。
あたしは涼介の隣に立っていた。
また長島くんが接触してきたら面倒だと思ったからだ。
しかし、そんな心配は無用だった。
長島くんは、ストレッチが終わり、発声練習の時間になっても現れない。
どうしたのかな……
そう思っている間にも、発声練習は始まる。
ピアノの音にあわせ、キャスト全員で発声していると……
がたん。
突然、講堂の扉が開いて、
制服のままの長島くんが現れた。
「長島?」
ピアノの音がやむと同時に、キャストたちも発声を中断する。
それもそのはず、
長島くんはまるで幽霊を見たかのような、
恐ろしさで引きつったような顔をしていた。
「どうした?早く着替えてこい」
教師が冷静さをもって、長島くんに声をかける。
「……め、ます……」
「え?」
「俺、やめます。舞台を降ります。
すみません、他の人を探してください」