シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
生徒が発声練習をするため使う、練習室。
ドアを閉めれば、声は外に漏れない。
実里はそんなところにわざわざ、あたしを放課後に呼び出した。
「なに?」
自然と、話す声が強張ってしまう。
「……長島くんに何をしたの?」
実里は敵意をむき出しにした声で、そうたずねた。
「は?」
あたしが、長島くんに何かしたと思ってるの?
「何も……」
「トイレの前で、あんたの彼氏ともめてたって噂があるんだけど」
「あ、あの人は彼氏じゃないし、もめるってほどもめてないよ」
やっぱり、人の噂って怖い。
いつの間にか、ちぃがあたしの彼氏になってしまったようだ。
あたしの否定を、実里は信じていないようだった。
「……でも、長島くんは……」
「長島くんが、ちぃに何かされたって言ったの?」
「そういうわけじゃないけど……
様子がおかしいのよ。
うつって噂は本当かもしれない。
いつも何かに怯えてるみたいなの。
かろうじて、学校は来てるみたいだけど」
「長島くんと仲いいんだ」
「関係ないでしょ」
実里は吐き捨てるように言った。