シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
もやもやと、胸に雲が立ち込めていく。
『長島、お仕置きしなきゃ』
そんなちぃの言葉が、脳で再生された。
「……あんたが調子にのるからこんなことになるのよ」
「調子にって……あたしが何したの?
オーディションに受かっただけじゃない」
「あんなトラブルがなきゃ、クリスティーヌには私が選ばれたはずだった!」
実里は珍しく、声を荒げた。
あんなトラブル……。
そうだった。
オーディション中、何故か実里の上に、背景幕が落ちてきたんだった……。
「そんなこと言われたって……」
あたしがやったわけじゃないのに。
完全な逆恨みじゃない。
「しかも、デザイン科の佐藤、だっけ?
涼介くんといい感じなのに、デザイン科の王子にまで手出して。
あんた、そうとう恨み買ってるからね。
母親の営業について回って、学校来ない方が身のためだよ」
「……!?」
なにそれ。
なんで、そんなこと言われなきゃならないの。
あまりの言われように、呆然としていると。
実里はさっさと、練習室から出ていってしまった。