シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
ぶるりと、背中が震えた。
一瞬見えた幽霊の目は、おそろしいほど冷たかった。
氷のような悲しみが、彼を包んでいた。
あたしの異常を感じたのか、ちぃが手を離す。
「ごめん。嫌だった……?」
心配そうに言うちぃ。
「違うの。違う……
いたの、今、見えたの……」
「え?」
「男の幽霊がいるよ、ここ。
しかも、結構強力な地縛霊が」
「は?マジで?」
だいぶ息が整ったらしいちぃが、額の汗をふきながら天井を見上げた。
「浮いてはないんだけど……」
「あ、そう。なんか浮いてるイメージだから」
「ここ、ヤバイよ。
この前は見えなかったけど、あんな強力なのがいたら、
病気にもなるよ……」
それでなくても、感受性の高いちぃだ。
見えなくてもなんらかの影響を受けるに違いない。
あたしはなぜかそんな事を自然に思っていた。
「あぁ、違う違う。
この病気は、もうずっとだもん。
幽霊、関係ないよ」