シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
ちぃはあたしの言う事をバカにするわけでもなく、
疑うわけでもなかったけど。
さらりと、そう言った。
「もう何年かな。
こうなったのは、ここへ来るずっと前」
「……なんの病気なの?」
「だから頭おかしいんだって。
病名は一応、パニック障害」
「パニック……」
聞いたことのない病名だった。
あたしが不勉強なだけかもしれないけど。
きっと、精神的な病気なんだろう。
『頭がおかしい』っていう表現は自虐的で、適切じゃない。
「ちょっとのストレスで、突然発作が起こるんだよね。
いつもは、あー来るなって予感がするから、すぐ薬飲めばいいんだけど。
今回は予兆なかったから」
「……いつから……」
「……子役やめる寸前……だから、10年近いかな」
「そんな小さな時から?」
「小さいときは繊細だったんだろうね」
たいしたことじゃないよ。
そんな態度で話すちぃの顔は、普段と変わらなくて。
あたしは悲しくて、仕方がなかった。
もっと、泣きついたっていいのに。