シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


「子役って、そんなに大変だったの?」


「あ、お前ひどいな。

俺けっこうテレビ出てたよ?

寝る暇もないくらい。

でもこうなったのは、仕事のせいだけじゃなかったと思うけどね」


「…………」



あたしは知らない。


どうしてだろう。


小学生の時のことを考えようとすると、突然頭にもやがかかったような感じになる。


ママは、単にあたしの記憶力が悪いせいだと言った。


そうだろう。


記憶の一部が抜けてるんじゃなくて、

小学校以前の記憶が全部ないんだから。


普通に、忘れちゃったんだろう。


きっと、ちぃのことも見たことがあったのに……。


どうしてあたしの頭は、こうも出来が悪いんだろう。



「……どうして、家族と離れたの?

こんな人を一人でおいておくなんて、わけがわからないよ」


「…………」


「発作が起きて、倒れて頭ぶったら、

そのまま死んじゃってたかもしれないんだよ?

なんでそんな人を放っておけるの?」



悲しみは怒りに変わっていく。


ちぃの両親が許せない。


子役として引っ張り回したあげく、放置?


そんなの、ひどすぎる。


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