シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「何だよ、いいじゃんか、ちょっとくらい」
「バーカ。甘えるな」
本当は、女の子たちの視線が怖いだけ。
ただでさえ反感買ってるのに、目立つ行動は避けたい。
涼介はいいやつなんだけど、そのへんの配慮に欠ける。
守ってやるとか、助けあおうと思うなら、
ちょっと考えてほしい。
まぁ、涼介が悪いわけじゃないから、強くは言えないけど……。
厄介な女の嫉妬というやつに、気づけと言う方が、
この人の良い男には無理なのかもしれない。
「あ、あれ……」
「あっ……」
講堂の端から、デザイン科の生徒が入ってきた。
彼らはこちらに一礼すると、教師を加えて、
それぞれ話し合いをしながら、真剣に何かをノートに書いたりしている。
「おお、大道具とかのスタッフだな。
本格的になってきたなー」
涼介が体を起こし、そちらを興味深そうに見る。
「基本、去年の装置を使えばいいわけだけど。
修繕とか、色々あるんだろうな」
そんな涼介の言葉は、途中から頭に入ってこなかった。
あたしの意識は、ある一点に集中してしまっていた。
そう。
デザイン科の生徒の中に。
まぎれもない、ちぃの姿があったからだ。