シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
くたくたの身体で更衣室に入る。
他のキャストはさっさと帰ったけど、あたしと涼介だけ、残って練習したんだ。
「え……っ」
ロッカーの前に立ち、絶句した。
鍵がかけてあったロッカーは、何かバールのようなものでこじ開けられていた。
めくれた金属。
それに手をかけて、おそるおそる開ける。
「……っ!!」
制服は、無傷だった。
しかしそれは乱雑に、大きく口を開けられたスクールバッグの上に被されていた。
ぞわ、と全身が泡立つ。
そろそろと手をのばし、それぞれを確認する。
幸い、生徒手帳と財布は無事。
無事じゃなかったのは……
「ケータイ……ない……っ」
制服のポケットも、バッグの中身も全部ひっくり返してみたけど。
やっぱり、ない。
「盗まれた……?」
うちの学校には、裕福な家庭の子が多い。
単にケータイが欲しかったんじゃない。
あたしの、ケータイ。
そこに入ってるデータを狙われたんだ。