シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「………」
そんなわけで。
あたしは、ちぃを待ち伏せています。
放課後、下駄箱近くで。
だって、同じクラスの子のアドレスはすぐ聞けるけど、
デザイン科の棟にはなかなか行けないんだもん。
あたしは新しいケータイを握りしめて、物陰に隠れてちぃを待っていた。
そんな時。
「……何してんの、ひなた」
「はうっ」
ビックリした……
普通に声をかけてきたのは、涼介だった。
「帰ろうぜ」
ケータイを盗まれたことを話したからか。
涼介はさりげなく気を使ってくれたんだろう。
「あの、あたし……人を待ってて」
「へー、珍しい。友達?」
「うん……」
友達、だよね。
間違いない。嘘じゃない。
なのに何であたし、ちょっと緊張してるんだろう。
涼介は爽やかに笑って聞いた。
「誰?教室に行けばいいじゃん」
行けないんだよ……。
トライしようとしたけど、あるパフォーマンス科の子たちがちぃを見に行こうとして集団で行ったら、大変なことになったという噂を聞いたから。