シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
あとに残されたちぃも、珍しく微妙な顔をしていた。
もう……なんで仲良くできないのかな。
「俺んち行く?」
沈黙を破ったのは、ちぃのそんな提案だった。
「話あるんでしょ?」
「うん。あ、たまにはうちに来る?」
「ひなたの家?」
実は、ケータイを盗んだ犯人は、ちぃの情報を知りたがっているのかもしれないから……
なんて、ここでは言えない。
ちぃは意外と激情型だから、学校でキレさせない方がいいだろう。
「……家は、ちょっと……」
ちぃは困ったような顔をする。
「ダメ?」
「俺……友達の家族とか無理」
気まずそうにちぃはうつむいた。
自分の家族とうまくいってないから、友達の家族なんか見たくない。
気を使うのも嫌だ。
そういう事を口には出さず、雰囲気で伝えてくるのがちぃだった。
「大丈夫、ママは営業でいないから。
お手伝いさんも、夕飯できたら帰っちゃうの。
家につく頃にはいないよ」