シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「へえ、ちゃんと片づいてる」
ちぃはあたしの部屋を見渡し、興味深そうに微笑んだ。
「この部屋では寝るだけだから」
「にしても、でかい家。
お嬢様なんだね、ひなたって」
「違う。微妙にお金があるだけ」
「はは、何それ」
ところで、とちぃは自分のケータイを取り出した。
「最近やたらと知らない人から電話やメールがあるんだよね」
ギク。
やっぱり……。
「……それって、女の子?」
「うん、だいたい。
デートしようとか、お昼一緒に食べませんかとか、メル友になってとか」
ちぃはうんざりした表情を見せる。
「ごめんね……それ、あたしのせいなの」
「なんで?」
「ケータイ、学校で……と……なくし、ちゃって」
盗られた、という言い方をとっさに変えたのは、何故だったんだろう。
ちぃはじっと、あたしの目を見つめた。
あたしは明るく、言葉をつなぐ。
「だから誰かがアドレスを悪用してると思うの。
本当にごめんね、迷惑かけて。
これ、新しい番号だから、また登録してくれる?」