シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
自分のアドレスを表示したケータイを見つめ、ちぃは無言でワン切りしてくれた。
「先生には言った?」
「言って……ないよ。だって、ただの紛失だもん」
「……千影って名前と番号だけで、何で女の子限定で連絡が来るの?
これじゃ俺の性別も顔もわからないはず。
俺を知ってる人が、たまたまお前のケータイ拾って、パクったって事?」
……ダメだ。
ちぃ、頭良すぎ。
全部見破られてるみたい。
じぃ、とあたしを見つめる視線に、もう嘘はつけなくて。
あたしは、更衣室でのできごとを話した。
ちぃとあたしがつき合ってるって噂があることも。
ちぃは黙って聞いて、静かに口を開いた。
「先生はあてにならないだろうけど、一応報告しておいたら?
学校の備品が壊されてるわけだし」
「はい……ごめんなさい」
「なんで、ひなたが謝るの?」
ため息をついて、ちぃはあたしの頭をなでてくれた。
その目は優しく、苦笑していた。