シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
一瞬、耳を疑って目を丸くしたあたしの唇に。
落ちたのは、小さなキス。
「……このままひなたがそばにいてくれたら、そのうち治る気がする」
「…………」
「病気治って、普通の人になったら、この続きしような」
そう言って、あたしの頬を愛しそうになでるちぃ。
あぁ、あたしの気持ちもバレバレなんだね。
「うん……」
ちぃの病気は心の病気。
そんな簡単に治るわけない。
それなのに、ちぃは、あたしの存在を認めてくれた。
それが、嬉しかった。
そして。
こんなに近くにいるのに、触れてもらえないことが切なくて。
自然に溢れた涙をこらえたあたしを、ちぃはぎゅっと抱きしめた。
「このまま、どっか行けたらいいのに」
「どこへ?」
「わかんない。俺たちしかいないところ。
それか、俺たちのことを誰も知らないところ」
ちぃの声は、不自然なほど切実そうだった。