シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
interlude.千影
──あっぶなかった。
やはり、家なんかに行くんじゃなかった。
顔、見られたか?
でも、追いかけてこないってことは、
あの女は気づかなかったってこと。
そう……
気づかなかった……
「っは、ぁあ……っ」
家に着くなり、薬の入った引き出しを探る。
あった、あった、安定剤。
これさえあれば、俺は無敵。
急いで水で飲み干すと、徐々に呼吸が整ってきた。
「……ひなた……」
ずるずると、冷蔵庫に背中を預けたまま床に座り込む。
閉じたまぶたの裏に浮かぶのは、
のほほんと笑うあの子の顔。
どうして、そんなに可愛いかな。
久しぶりに見た時は、びっくりしたんだよ。