シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
誰かは、密やかな声に興味津々で尋ねる。
その時、
「5番!」
と、誰かを呼ぶ声がした。
誰かは息を整え、舞台に上がっていく。
そこでは、文化祭で上演される演劇の、
主役を決めるオーディションが行われていた。
「……不幸な偶然って、何?」
別の声が尋ねる。
「噂……というか、伝説だけどね。
その年の主役の周りで、次々に事件が起こったらしいの。
それも、普通の人間にはできないような……」
「えぇ、どんな事件?」
それはね。
密やかな声が答える。
それは……。
ある人には、狂気に見えるでしょう。
でも私の中では、悲しい恋の物語になっているわ。
そう前置きをして、密やかな声は語りだした……。
かつてこの舞台で起きた、悲劇を。