シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


「わかった」



うなずくと、幽霊は消えた。


あたしは更衣室から鞄と制服をひっつかみ、練習着のまま、ちぃの家へと向かった。


途中、ケータイが震えた気もしたけど。


あたしはとにかく夢中で、ちぃのところへ向かう。


全速力で夏のアアスファルトの上を走ると、すぐに体中に汗が浮かぶ。


その門の前に着いたときには、喉がひりひりと痛んでいた。



「ち、い……」



門に手をかけ、押した。


門はゆっくりと開き、錆びた金属が軋む音がする。


一歩前に出た途端、あたしの目に入ったのは……。



草が伸び放題の庭に倒れている、ちぃの姿だった。



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