シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
ちぃはそう言うと、苦しみながらも、唇の片端だけを上げ、にやりと笑った。
茶色がかった瞳が、怪しい光を放つ。
ぞく、と背中を恐怖が駆け抜けた。
しかし、あたしは逃げることができない。
「……何もしないでって、言ったのに」
やっとそれだけ抗議すると、ちぃはますます目を細めた。
「うん?そうだっけ?」
「そうだよっ!
なんで、なんで、あんな怖いことするの!?」
「ひなたのためでしょ」
「嫌だよ、もうやめて……!!
お願いだから、もう誰も傷つけないで!!」
勇気をふりしぼり、ちぃに言葉を投げつけた。
逃げてはいけない。
女の幽霊の声が頭でこだまする。
これは、あたしがなんとかしなきゃいけないんだ──。