シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


ちぃはそう言うと、苦しみながらも、唇の片端だけを上げ、にやりと笑った。


茶色がかった瞳が、怪しい光を放つ。


ぞく、と背中を恐怖が駆け抜けた。


しかし、あたしは逃げることができない。



「……何もしないでって、言ったのに」



やっとそれだけ抗議すると、ちぃはますます目を細めた。



「うん?そうだっけ?」


「そうだよっ!

なんで、なんで、あんな怖いことするの!?」


「ひなたのためでしょ」


「嫌だよ、もうやめて……!!

お願いだから、もう誰も傷つけないで!!」



勇気をふりしぼり、ちぃに言葉を投げつけた。


逃げてはいけない。


女の幽霊の声が頭でこだまする。


これは、あたしがなんとかしなきゃいけないんだ──。


< 234 / 245 >

この作品をシェア

pagetop