シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
しかし、ちぃの目は相変わらず、あたしをバカにしたように見ていた。
その光は、あたしを哀れんでいるようにも見えた。
「誰も、傷つけないで……?」
突然ぷ、とふきだすと、ちぃはお腹を抱えて、くつくつと笑い出した。
「あ、ぁ、苦しい。やめてよ、ひなた」
「何が、おかし──」
「おかしいよ。これが笑わずにいられる?」
あたしの言葉を聞かずに済むように、ちぃの右手があたしのあごをつかんだ。
「ねえ、ひなた。
この世界中の一体誰が、一生誰も傷つけずに、生きていけると思うの?
ねえ。
なんで、お前は、『私は誰も傷つけてなんかいません』って顔ができるわけ?」
「──、っ」
「誰も傷つけない。
そんなことできるやつ、この世にいないんだよ」