シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


……まさかね。


妄想もたいがいにしなきゃ……。


ママのこと、いえない。




そしてオーディションの全てを終え、もう一度観客席を見渡す。


デザイン科の生徒や、オーディションを受けなかった生徒達が、

温かい拍手を送ってくれていた。


安心と驚きで、胸が熱くなっていく。


嬉しくて、一礼でお返しした。



「ありがとうございました!」



そして、頭を上げた瞬間に見えたのは……。



観客席の一番後ろ。



あの、女の霊が横切っていった。



びく、と肩が震える。



途端に足が、床に固定されたように動かなくなった。



視線だけが、彼女を追う。



そして、ある人物のすぐ前で。



彼女は、姿を消した。



そう……彼の前で。






< 25 / 245 >

この作品をシェア

pagetop