シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
……まさかね。
妄想もたいがいにしなきゃ……。
ママのこと、いえない。
そしてオーディションの全てを終え、もう一度観客席を見渡す。
デザイン科の生徒や、オーディションを受けなかった生徒達が、
温かい拍手を送ってくれていた。
安心と驚きで、胸が熱くなっていく。
嬉しくて、一礼でお返しした。
「ありがとうございました!」
そして、頭を上げた瞬間に見えたのは……。
観客席の一番後ろ。
あの、女の霊が横切っていった。
びく、と肩が震える。
途端に足が、床に固定されたように動かなくなった。
視線だけが、彼女を追う。
そして、ある人物のすぐ前で。
彼女は、姿を消した。
そう……彼の前で。