シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「おぅ……?」
彼が入っていったのは、
およそその顔に似合わない、古びた家だった。
鉄で出来た門は錆びて、つたが巻きついている。
その奥には庭があって、うぞうぞと草が伸び放題。
さらに奥にある建物本体は、それもつたに覆われて、
まるで巨大なマリモみたいだった。
「きったな……」
あたしは思わず、本音を口にしてしまった。
そうして、その家の風貌にあっけにとられていたら……。
がちゃん。
古いドアが閉まる音がした。
「あっ!!」
声をかけようと思って、ここまで来たのに……
なにやってんだろう、もう……。
「しょうがない、か……」
家に帰ろう。
そうして、方向を変えるけど……。
「あれ?」
目の前に広がるのは、ぜーんぜん知らない風景。
あたしは彼の背中しか見ていなくて、
道を覚えるのを忘れてたんだ。
さーっと、血の気が引いていく。
……けっこう、歩いちゃったよね?
てか、ここ、どこ……?