シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


どうしようか。


携帯でタクシー呼んで帰ろうか。


でも、タクシー会社の番号が、わからない……。


交番で聞こうにも、交番がどこにあるのか……。



あたしは、うっそうと草木が繁った庭を振り返った。



「聞こう!そうだ、あたしは迷子だもん!」



情けないけど、彼に道を聞いてみよう。


しかも自然に(?)話すチャンスじゃん、これは。



あたしは錆びた門に、手をかけた。


呼び鈴がどこにあるかわからない。


むしろ、元々ないのかな?



「すみませーん……」



勇気を出して声をかけてみた。


すると、古いドアがギイ、と音をたてて。


中から、私服に着替えた彼が現れた。


しかし彼は、あたしに気づいたんじゃないようだった。


そのまま庭の方へ行ってしまうと。


キュル、と、草に埋もれた蛇口をひねった。


おそらく、庭に水をまく専用のホースだろう。


彼は、それを両手に取った。


そして……


あたしは、見た。



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