シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「失礼します」
顔あわせをしていた講堂の戸が開く。
すると教師と共に、デザイン科の生徒達がぞろぞろと入ってきた。
「すいません、遅くなりました。
こちらは人選がぎりぎりだったので……」
ハンカチで汗をふきながら、デザイン科の男性教師が言う。
パフォーマンス科の、舞台監督をする先生は、
にこやかな顔で彼らを出迎えた。
「大丈夫ですよ。
こちらは舞台のスタッフをしてくれる、デザイン科の生徒たちだ」
先生はあたしたちに向かって言う。
うん、デザイン科ってことは、見た目でわかるよ。
パフォーマンス科は、既にデビューしてる子もいるから、
制服は普通に、地味めに着こなすのが常識だ。
しかしデザイン科は、
自分の個性をひけらかそうと、個性的な髪型や着こなしをする子が多いんだ。
でも、制服って、どう着こなそうが一緒じゃん?
と、あたしは思う。
ちょっと前に流行ったルーズソックスも、ブランド固有のチェックのマフラーも、
どう取り入れたって、結局皆、同じに見えた。
耳から唇、そしてもう片方の耳へと、
チェーンで繋がったアホなピアスをしてたり。
髪の毛をピンクと金のまだらにしたり。
そういう人たちを見るたび、
ああ、やっちゃったね、と思う。
余計なお世話だけど。