シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
外見をいじくりまわしても、個性は伝わってこないよ。
なーんて、その生徒達を見渡しながら。
キャストたちは、よろしくお願いしますと頭を下げた。
スタッフの生徒も、同じように。
「では、解散」
顔あわせは、あっさり終わった。
お互いに、相手の科にはあまり興味がないんだ。
キャストは、誰が大道具だろうが小道具だろうが、
ちゃんと作ってくれさえすればいいと思ってる。
スタッフは、誰が何を演じようが一緒だと思っている。
もっと作業が進んでいけば、
打ち合わせも増えて、自然に顔を覚えるだろう。
お互いにそんな感じだった。
ぞろぞろと講堂を後にしていく生徒達の中……。
一人、ぼんやり舞台をながめる生徒を見つけた。
「あっ」
「なに、ひなた」
「千影くんだ!」
あたしは一緒に帰る予定だった恵をひっぱり、
天井を眺めている千影くんのところへ近づいた。
上がった顎がセクシー。
そんなアホなことを思いながら。
「千影くん!」
「ん?ああ、ひなたちゃん。
こんにちわ」