シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


千影くんは、天井からあたしへと視線を移し、

にこりと笑った。


デザイン科だけど、制服を普通に着こなして。


それでも誰よりかっこよくて、目立つ。


そんな千影くんに、あたしは好感を持った。



「ちょ、ちょっと、ひなた……」



突然の王子様出現に、恵があたしの袖を引っ張る。



「あ、デザイン科の佐藤千影くん。

ひょんなことから知り合ったの。

千影くん、こちらは友達の恵」


「へえ。

こんにちわ、恵ちゃん。

ひなたちゃんとは、

迷子を保護した縁で、知り合いました」


「迷子?」


「余計な事は言わなくてよろしいっ!」




あたしは千影くんの腕を、軽くたたく。



「千影くん、スタッフなの?

何やるの?」


「照明デザイン。

どこでどんな光を落とすか、考える人。

実際に当てるのは、別のやつ」


「へえ!

あ、あたしの上にいーっぱい、スポットあててね!」


「はは、そんなに当てたら照明焼けするよ?

ひなたちゃん、せっかく白くて綺麗なのに」








< 44 / 245 >

この作品をシェア

pagetop