シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「それにしてもさー、でっかいシャンデリアだね」
恵が講堂の中央についたシャンデリアを見上げる。
アンティークでもなんでもないシャンデリアだろうけど、
それは豪華で、本当のパリのオペラ座を彷彿とさせた。
「あれ、落とすのかな?」
オペラ座の怪人の有名なシーンのことを、恵は言う。
支配人たちが自分の要求を無視したことに怒ったファントムが、
シャンデリアを観客席に落とすシーンだ。
「一応落とす真似はするんじゃない?
あれははずして、プラのシャンデリアを」
「プラスチックかー。
夢がないねー」
だって、本物は無理でしょうが。
多分、ワイヤーで吊って、観客の頭上をプラプラさせるんだから。
間違って、本当に落としたら、大惨事だもんね。
「ひなたー。恵ー。
キャストでいける奴は、今からファミレスだってさー」
上を見上げていたあたしたちに、涼介が駆け寄る。
「誰のおごり?」
「自分の分は自腹だよ、バーカ」
「涼介くん、それって親睦会みたいなもの?」
「そうだよ。
恵は頭がいいな~誰かと違って!」
「なにそれ!」