シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
涼介はもう何もなかったように、
明るくアホな話し方をする。
あたしは、それに少しホッとして……
ほんのちょっぴり、寂しさを感じた。
でも、いいよね。
まだ、五月だけど。
9月の文化祭が、終わるまでは。
波風立たないほうがいいよね、お互いに……。
「いいなあ、ひなたは」
先に行ってしまった涼介を見送りながら、恵がぼやく。
「何が?オーディションのこと?」
「違う。
あーあ、いいなあ、
ひなたの周りばっかり、王子様がいてさー」
恵はすねたような言い方をした。
いや、たしかに千影くんは王子様だけど、さほど仲がいいわけじゃないし。
もうひとりは、王子っていうか……ホストっぽいよ?
「あたしは恵が一番好きだよっ!!」
「きゃあ!もう、ひなたー!」
あたしは恵にガシッと抱きついた。
恵は、迷惑そうな、まんざらでもないような、
微妙な顔をしていた。