シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「ただいまー……」
とは言っても、通いの家政婦さんはとっくに帰ってしまった時間だ。
家の中は暗く、誰もいない。
電気をつけ、ダイニングテーブルを見ると、
温めればすぐ食べられるように、夕食が用意されていた。
あーあ、どうしよう……。
ファミレスで、食べてきちゃったし……。
捨てるのはもったいないし。
その時、ぽんと頭に浮かんだのは。
涼介じゃなくて。
千影くんの顔だった。
あの家に、家族は一緒に住んでいるんだろうか。
人の気配はなかったけど……。
もし、一人であそこに住んでいるとしたら?
想像すると、うっすら寒いような気がした。
だって、完全にお化け屋敷だもん。
何かいたら、見えちゃうし。
あたしがあそこに、一人で住めって言われたら、いやだな。
一人のわけないじゃん。
高校生一人なら、下宿か単身用のアパートに決まってる。
きっと、家族がいるはず。
「変なの……」
何で、少ししか話したことのない千影くんが、
こんなに気になるのかな。