シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
千影くんは、その番号を登録すると、
ケータイをポケットにしまった。
そして、その独特な、甘い麻薬みたいな声で囁きかける。
「ひなたちゃんって、良いね」
「はい?」
「他の子みたいに、気取ってなくて良い」
「あぁ……」
確かに、パフォーマンス科の子って、
芸能界目指すだけあって、
きついし、プライド高い子が多いかも。
実際はそうでない子もいるんだけど、
一般的にそう見られるのは、なんとなくわかる。
「だって、気取るような後ろ盾も、実績もないんだもん。
母親は営業ばかりの演歌歌手だし、
あたしは、スカウトすらされた事ないし」
「でも、“あたしは他の子とは違う”ってオーラがないだろ?
この学校はそんな子ばかりで、疲れるよ」
そりゃあ、個性が全ての学校ですから……