シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「前の学校は、そんなことなかった?」
「前は田舎の普通科だから。
皆、普通だったよ」
「へえ……」
「だけど、ここに転入して、一つだけ良かった事がある」
「えっ、なになに?」
「ひなたちゃんが、いた」
「…………!」
千影くんの話す言葉は、最小限で。
わかりにくい時もあるけど。
その、飾らない言葉に。
どうしようもなく、心をわしづかみにされる時もあるのだと。
初めて、気づいた。
なんて返せばいいのか。
考えていると、突然ケータイが鳴った。
「ごめ……もしもし?」
千影くんにジェスチャーで謝り、電話に出る。
その向こうから、明るい声が聞こえてきた。