シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「千影くん、こっちは同じクラスの涼介。
涼介、こちらの千影くんは、転入生なの。
男の子同士の方が、聞きやすい事もあるだろうから、もし良かったら……」
そこまで言っただけで、千影くんはくるりと背中を向けてしまった。
な、なんで?
「感じ悪……」
ちょっと、涼介!
素直すぎるって!
ハラハラしていると、千影くんは少しだけ振り返り。
「……それは、余計なお世話」
そう一言言って、スタスタと歩いていってしまった。
「なんだ、ありゃあ」
涼介は呆れたような声を出した。
あたしも、呆気にとられてしまった。
あたし、何か悪いことした?
なんであたしと二人の時には王子様みたいなのに、
男の子には冷たいの?
あたしは、涼介の横で、
千影くんの謎について、悶々と考えこんでしまった。
手の中では、
涼介にもらったパンが、
知らず知らずにもまれて、
ボロボロになっていた。