ずっと大好きです
「あのねえ!転校してくるって噂が
春休みに女子の間に流れてたの!
もも、知らないの?」



「え?だから何なのよ~。
転校してくるって・・・
どうせ顔はかっこいいかな~とか
騒いでるんでしょ!言っちゃ悪いけど
あんまり目立たない感じだったじゃん。」


何しろあたし、喋ったこともないのに!


首をかしげていると杏ちゃんは

「違うの!ものすごくかっこよくなって
帰って来たって噂~!」

自慢げに喋り終えた
杏ちゃんは栗色の髪を触りながら
天使みたいにニコッと微笑み


「ね!見に行かない?」
と一言。


言うと思ってましたよ・・・。


「うん。いいよ~。」

いつもの事だから、と

あたしは力なく返事をする。

返事をし終わる頃には

腕をつかまれ、引っ張られていた。



教室のはしっこで

机に突っ伏している彼のもとへ

あたしの腕を引っ張りながら

杏ちゃんはずんずん歩いて行く。

< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop