ツンデレ彼女と無関心彼氏
どんどん広がる猛のとの距離。
こーなったらやけくそだ!!
「…待ちなさいって言ってんでしょーーーっっ!!!!!!」
ありったけの力で叫ぶと、周りの人達が耳を塞いだりビクッと肩を揺らしたりした。
近くのごみ箱がビリビリと細かく揺れてる。あたしの威力、スゴ。
立ち止まった猛の元に、懸命に足を動かして走る。
………けど、その途中で、見事に転んでしまった。
「…梓衣…!?」
振り返り駆け寄って来た猛。
心配そうな表情。
近くにいる猛に、体の奥底から熱い気持ちが込み上げて来る。
あたしは転んだ痛みと、猛への想いでぐちゃぐちゃになって。
色んなものが混じって、目には今にも零れそうな涙が溜まってる。
グッと唇を噛み、涙を我慢して、しゃがみ込む猛を見上げた。