夢花火
近藤を先頭に、夜の京の街を走っていく。
一軒一軒、探していった。
「主人はいるか、御用改めである!」
何回、近藤がそう叫んだことだろう。
池田屋って分かっているのに、何も言えない自分が悔しい。
少しでも、歴史を変えるわけにはいかない…。
今の私は、そう思っていた。
この思いが変わるときなんて、来ると思っていなかった。
だんだん、池田屋へと近付いていく。
何時間も探し回り…
「ーー御用改めである!!」
…ついに私達は、池田屋に踏み込んだ。