夢花火
「土方…」
「遅くなって、悪かったな」
そして土方は、沖田の方を見た。
一瞬、沖田の口元を見て驚いたような顔をしたけど、すぐに表情を改める。
「二階はもう大丈夫だ。無理しないで待ってろ」
「はい…」
私と土方は、一階に降りて行った。
しかし、もう既に終わっていたみたいだ。
「討ち取り九名、捕縛四名です」
隊士が、近藤にそう報告していた。
ーーーこうして。
御所焼き討ちの計画を、
未然に防ぐ事に成功し…。
池田屋事件は、幕を閉じた。