夢花火




土方に抱き締められても嫌だと思わなかったのは。


ドキドキしたのは。



そうだったんだ…。





今さら気付いた。


恋するって、こういう事だったんだ。

好きな人から告白されるのって、こんなに嬉しい事なんだ。




私…。


土方の事が、好きなんだ…。




「土方、ありがとう。…でも、守られてばっかりじゃ駄目だよな。私も、あんたを守る」



私がそう言うと、土方は笑う。



「女に、守られるのか…」



「土方に、どこまでもついて行くよ。何があっても、私はあんたについて行く」



「…ああ」




「土方が好きだ」




そう言うと、土方は再び私を抱き締める。



今までよりも、強く。





「俺もだ。…千春」




名前で呼ばれて、少し照れながらも、私も土方を強く抱きしめ返した。





「私から、離れちゃ駄目だからな」



「当たり前だ。お前も、俺から離れるな」






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