夢花火
「分かった。ちょっと待っててくれ」
紙と筆を持って、席を立とうとする。
「千春」
土方が、私の名前を読んだ。
「何?」
「これは、俺らの秘密だからな」
そう言う土方に、微笑んでみせる。
「ああ。すぐに書いてくる」
そして、土方の部屋を出て、廊下を歩いていく。
すると、向こうから山南が歩いてくるのが見えた。
「千春さん。こんにちは」
「こんにちは」
挨拶をしながら、お辞儀をした。
「随分と嬉しそうですね。何か、良い事でもありましたか?」