夢花火





「…千春」


「何だ?」



問いかけると、土方はゆっくりと口を開く。



「着物…似合ってる」



少し、顔が熱くなるのが分かる。



「ありがと。土方」



照れながら、小さな声で答えた。


すると、土方はそっと私を抱き寄せる。




「お前が好きだ。これからも、ずっと一緒にいたい」



「私もだよ」



「…でも、俺と一緒にいたら、危険な事も沢山あるかもしれない」



土方は、真剣な声で話し始めた。




「………」




「お前は本当は、こんな危険な場所じゃなくて、もっと安全な所で生きるべきだった」




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