夢花火




「……」



「聞きましたよ。女性でありながら、新撰組の中でもかなりの腕前だそうですね」



「…だから何だ」



そう言いながら、短くため息をつく。


しかし伊東は、
そんな事は気にせず語り続けた。




「一度、あなたの剣の腕をこの目で見てみたいものです」




そして、しばらくの間沈黙が流れる。




「……」


「………」


「…………」




何となく気まずい雰囲気の中、私は立ち去ろうとした。



…しかし。




「いやあ、それにしても、あなたと土方さんが恋仲だと聞いた時は、驚きましたよ」




…まだ続くのか。





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