夢花火





自分の部屋に向かって歩いていき、角を曲がると、ばったりと土方に出くわす。



「…土方」



「どうした」





何となく、伊東のさっきの言葉が頭から離れなかった。




「土方は、山南の事が嫌いなのか…?」




私がそう聞くと、土方は目をそらす。




「どうしてそんな事を聞く?」




「……」





黙り込んでしまうと、土方はゆっくり口を開いた。




「…別に、好きってわけじゃねえ」





< 168 / 345 >

この作品をシェア

pagetop