夢花火
「好きではないけど、嫌いでもない」
「…?」
「山南は、江戸からの同士だ」
「……」
黙って、土方の話を聞く。
「ここまで来れたのは、あいつもいたからだ。まだまだこれからだからな。俺らには、あいつが側にいねえと困る」
私は、安心して微笑む。
「…良かった」
土方もふっと笑う。
そして、
「山南には言うなよ」
照れくさそうに、そう言った。
「あぁ。分かった」
私達は微笑みあって、自室に戻っていった。